栃木県は大平町、
山と田圃と、ときたまコンビニ。
亡き爺ちゃんの邸宅はそんな田舎町にある。
花が好きだった爺ちゃんは、
庭にたくさんの木やら花やらを植えて、そこを小さな楽園に仕立てた。
そんで爺ちゃんが死んでばあちゃんも東京に出て来くると、楽園は真っ逆さまに廃屋。
じいちゃんの大事な花たちもほとんど、裏のお墓参りに来た人達に掘り返されて持っていかれてしまった。
それで近頃、親父が花園復活プロジェクトを打ちたて、
働き疲れた週末、一人で栃木に通っては、せっせと庭の整備や畑を耕している。
これで親父の老後のボケ対策が見つかったのだと思うと、息子の僕はニヤつくばかりだ。