ばあちゃん
今日感じたことは今日のうちに。。
接骨院から帰ってきたばあちゃんが不機嫌そうに言った。
「あたしの杖を他の患者さんに持っていかれちゃったよ。残っていたのはこんなボロの杖さ。」
僕は、
「もともとそれがばあちゃんの杖なんじゃないの?」
と尋ねた。
「あたしのはもっといいヤツだよ〜」
まるで、泉に斧を落とした木こりの話みたいだ。
老人がよく通う病院では、自分の杖や靴を、他の老人が持っていってしまうケースはしばしばあるそうだ。
しかし、それが故意的なのかどうかは曖昧で、、
大抵の場合、被害にあった老人は
「自分の良い品が持っていかれて、変わりにボロイ物が残っている」
と病院に文句を言うらしい。
挙句の果てに、
「あたしの前に診察を受けた人に違いない」
と、犯人探しまで要求するようだ。
病院側からすれば、半分ボケていてもおかしくない年齢層からのクレームに対処するのは一苦労で、きっと毎度毎度うんざりしているかもしれない。
ただなんとなく、全体を見るとほほえましい。
若いうちは何をしてもなんとかなる。
そして、ある程度の年齢を過ぎれば何をいってもなんとかなる。
子供は“責任”を知らないことを許され、年寄りは"責任"を捨てることが許されている。
のかな??
ちなみにうちのばあちゃんは今のところウソを付かない人で通っている。