10月22日(月) 「音楽論」授業後小レポート
〜ドラマや映画のBGMをつける作業〜
「80曲納品」という言葉が強烈だった。
80曲も作る場合、作曲の進め方ってどんなものなのだろうか。
最近読んだ久石譲の「感動をつくれますか」という本でも、作曲作業についてかかれていて、
複数曲を作るときには、1曲1曲仕上げていくのではなく、フレーズや短いメロディを沢山作って貯めながら、数曲同時に仕上げていくような事が書かれていた。
たとえば10曲作る場合、1曲を先に仕上げてしまうとその曲が全体のイメージを決めてしまうため、他の曲が作りづらくなる事があるため、10曲全体の雰囲気は、一曲一曲ではなく、数曲を作りながらジワジワと作っていくものだからだという。
そんな話を読んだ後だったので、
80曲ともなれば、いったいどういった作業の進め方をするのだろう、と気になった。
雰囲気や、世界、といえば、
映画やドラマのBGMをつける際は、その映像作品に対して、複数の世界をイメージしたりする事はあるのだろうか。
僕はあると思う。
たとえば、映像をみて、全体のイメージを、AとB、2通りのイメージがわいたりすることがあるんじゃないかと。つまり、同じ映像から別個の世界が二つできる。
もしそうだとしたら、その先の作曲行程では、世界Aをイメージして作った曲々と世界Bをイメージして作った曲々は
混ぜる事が難しいはずだ。違和感が出てしまいそうな気がするから。
そうすると、作曲作業は2倍になるから、2通りも3通りもの世界をイメージするのは、とても危険かもしれない。
でも、作曲側としては、その作品に対して、監督が抱いているイメージと自分が抱いているイメージが近く無い場合もあることを考えると、なるべく多くのパターンを準備して、監督とのイメージや雰囲気の確認をせざるを得ないかもしれない。
もしくは、あえて監督に新しい世界の提案をしたい時もあるだろう。
そんなことから、他人が抱いたイメージを映像化したり、音楽化したりすることって、凄まじい表現領域だと思った。
余談
80曲納品、複数曲のパッケージングといえば、普段僕らが聞いてるいわゆる「歌手・アーティスト」が作るアルバムを思い浮かべる。
アルバムは、作者がメインに聞かせたい曲が2,3曲あって、他の曲はアルバム全体の雰囲気や風を構成するため要素であることが多い。
でも、実際僕らがアルバムを聞く時って、「どの曲がメインの曲で・・」ということは考えず、この歌が好き、あの歌が好き、といったように聞いていると思う。
これに対して、「映画(やドラマ)のサウンドトラック」って同じアルバムでも全然違う。
こっちは、メインの曲と、メインに向かうための曲、雰囲気つくりの曲など、曲の役割が聞く側にとってもハッキリしていると思う。
おそらく、僕らが先に映画を観てしまっているから、あらかじめ「曲毎の役割(使われる場面)を知っている」ということが理由なのかもしれないけど。
同じ形で複数曲がパッケージングされているのに、コンテンツの役割がハッキリしてる場合とそうでない場合がある事、そういえば無意識に思ってた事だったかもしれない。
以前「音と音楽の表現領域」で出てきた、コマーシャルミュージックとシリアスミュージック、といったようなカテゴライズに近いのかな。